10年後20年後に必要とされる食を守るために

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10年後20年後に必要とされる食を守るために
■イマコレ -FUTURE VISION-
甲斐剛 Katashi Kai  808ファクトリー事業部部長
静岡県焼津市に閉鎖型の植物工場を構えている808(ハチマルハチ)ファクトリー。808=八百屋というコンセプトの通り野菜を生産している。10年後20年後に必要とされる食を守る?閉鎖型植物工場?食の未来への挑戦を、事業部部長の甲斐さんに聞いてみたイマとコレカラ。

808ファクトリー 甲斐

野菜創りの未来を切り開く
閉鎖型の植物工場の開発運用

(イマやっているコト)
環境を制御した、閉鎖された空間の中で、太陽光の代わりに人工光を使って野菜・植物を育てています。メインはリーフレタス類を365日種まきから出荷までを行なっており、9000~10000株毎日出荷可能です。
365日安定した供給 植物にストレスがない環境で栽培すると、苦味やエグミ少ない食べやすいものができるんです。野菜嫌いの人でも食べやすく洗わなくても食べることができるので、レストランで使用する、加工品のサンドイッチに直接挟むなど、食品の加工場、スーパーなどで需要があって使用していただいています。種まきから袋に入れるまでの栽培経路がわかっているので、異物混入はまずありえません。同時に農薬も一切使用していないという点で安全性も高い。設備に対してのコストが今は課題ですが、ここの野菜を使いたいというお客さんはいる。人の手が必要なのは、収穫検品の時だけなんです。

未来の食を守るために

10年後20年後を考えたときに、どんどん大切になってくる部分。輸入食品・気象の問題・農産物の生産が安定しない環境、また世界人口も増えていきます色々調べて行った結果、一年中どんな環境でもできる。発展途上の中で、今取り組むことによって企業 としても将来につながる事業です。植物+工場に違和感があるかもしれません。ただ植物に最適な条件を整えようとした結果、このような形に進んでいることは不思議なことではないんです。畑に種をまいたら育ちました。雨、気候が安定しない→ビニルハウスにしましょう→土でやっていると病原菌がありますね→水耕栽培はどうでしょう→夏は気温が高いですね→ビニルハウスの横開けてみましょう→虫が入ります→影響ない閉鎖された環境で、太陽の代わりにLED、蛍光灯・・・より良い環境でコントロールしようとしてきている進化の過程で、考えればこれは必然的なことですよね。

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未知の世界に生まれた興味

小さいころから植物・生き物が面白かったんです。未知の世界が多かったから。大学は農学部で微生物の研究、その後食品会社で野菜の栽培を10数年やっていました。新しい挑戦×食べ物に関することをやりたいという思いから今の会社に転職しています。やりたいことやれること・誰もやっていないことって、まだまだアイディアはあるはずじゃないですか。失敗ってその時点では一見失敗かもしれないけれど、わからない。何かはある。この方法がダメだということがわかることが大切なんです。だから、失敗という概念はないですね。過去の上司に言われたけれど、どれだけ失敗しても死なない。昔だったら切腹とかあったのかもしれないですけど(笑 でも今はないですよね?こうやればこうなるはずもあれば、たまたま予期せずやった(理論上やらないこと)ときに、たまたまいいことも悪いことも起きることがある。その時は検証する。どうだったのか?経験だけでなく、理由をはっきりさせることが重要です。ただ、なんでだろう?はいつもあります。生き物なので、不思議なことはよくある。

小さな試験プラントから始まった挑戦

2012年の10月に試験プラントからはじまりました。 植物工場で必要な条件は空気・温度・湿度・二酸化炭素・ 光・水・栄養分など多岐に渡ります。それぞれの組み合わせ によって、成長は変わるので可能性は無限大にあります。 どのように育つのか?試行錯誤の中でスタートをきりました。レタスを一つとっても、光はどのような波長がいいのか? LED?蛍光灯?仮説を立てて、実証をして、また仮説をたてるという事を繰り返してきました。この組み合わせで、 良質な商品ができるのではないか?そのクロスポイントを 見つけ、工場での量産に移りました。今でもより良質を目指して、試験は繰り返されています。

今見ているところは10年後20年後

食べ物の安全性、安定性が必要になるのは日本だけの話ではない。今は野菜つくっていますというのはありますが、 ノウハウを蓄積して、世界中に役に立つ技術になる可能性があります。世界どこにいっても、安定して安心して提供できるようになる。野菜が提供出来るようになるだけではなくて、コントロールも提供できるようになる今まで外でやっていた時はできなかった食の機能性や栄養性ができるようになる可能性もある。そしてまだまだ、今の技術の延長線上には提供できる価値がもっとあるかもしれないし、きっとあるだろうと思っている。現在、日本で最大クラスの工場をつくっているわけなので、トップクラスの規模拡大を実現して野菜を提供しているだけではなく、新しい価値も 提供していきたいですね。どんどん挑戦していきます。

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