Design your own road

杉江理1

Design your own road

■ イマコレ -FUTURE VISION-
杉江 理  Satoshi Sugie
1982年生まれ。静岡県浜松市出身。日産自動車開発本部を経て、1年間中国南京にて日本語教師に従事。その後2年間世界各地(パプアニューギニア、ラオス、ウズベキスタン、ボリビア)に滞在し新規プロダクト開発に携わる。2012年 WHILL,Inc. 設立。世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC33歳以下日本代表。そんな杉江さんのイマとコレカラ。(2015.08.21)

人の移動を楽しくスマートに 

(イマやっているコト)
車いすユーザーの声からすべての人の移動を楽しくスマートにするということで、次世代パーソナルモビリティの開発、販売をやっています。2012年に会社を設立して、3年目。横浜・サンフランシスコ・台湾に開発拠点・営業・製造拠点があります。

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100m先のコンビニに行くのをあきらめる 

(なぜチャレンジしているのか?)
何か新しいことをしようと思っていた時、ある一人の車椅子ユーザーに出会いました。その方との出会いが原点となっています。その方は、「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」と言いました。自分には理解できず、衝撃を受けたのを覚えています。 既存の車椅子は、カッコ悪くて病人に見えたり、能力が限られていると見られてしまったりする心理的な問題と、坂道や路面状態により、行動範囲が狭められてしまう物理的な問題があるということが原因でした。「カッコよくて使いやすい車椅子をつくったら何かおもしろそうだな」。と軽い気持ちで自動車業界や家電業界で 働く友だちに声をかけ、2010年に電動車椅子「WHILL」の開発を始めました。

ふざけるな。今すぐやめろ

実をいうと、スタートは社会的な課題を解決しよう!とは、ちょっと違いました。一番最初は、東京モーターショーに何か製品を出そうという話の中で、仲間と「かっこいい車いすを作ろうぜ!」っていう自分たちがやりたい!楽しそう!というノリから始まりました。そんな中とある人に、「ふざけるな。今すぐやめろ。これはプロトタイプだろ。お前ら世に出さないだろ。期待している人がいても、どっちみち誰も買えないじゃないか」という話をされたんですよね。確かにそうだなと思って。僕らはみんな出身がソニーとかオリンパスとか、僕も日産なんですけど、会社の特許とか知財とか取って(世の中に製品として)出さないものが社内で眠ってたりするんですね。それと似てるなというのがあって。そういうの嫌だなと。期待してくれている人もいるし、ちゃんと届けなければいけないということで会社にしました。

WHILLパワー

ネガティブなものはポジティブになる

ネガティブだったのがポジティブになって、ポジティブを超越するということ。これって、すべてのプロダクトにおいて当てはまることだと思っています。僕らも今機能性からカッコイイというところをとおっている途中。僕らはポジティブにしている途中なんですけど、おそらくインフラだったりソフトウェアの環境が変わったり、そういう周辺環境も変えながらいくと、ポジティブになるどころか「便利だから僕らも乗る」みたいな時代になる可能性があります。

WHILL未来

グローバル・プロダクト・インフラ

今後注力しなければいけないことは大きく3つあります。一つ目はグローバルマーケット。現在は日本、アメリカに注力していますが、来年はヨーロッパ・台湾といったところにはいっていきたいと思っています。メーカー・モノづくりといった点では、中国、台湾に関してずっと気にして危機感を持っています。二つ目はプロダクト。ハードウェアを完璧なプロダクトとして作ったうえで、ユーザーやその周りの人にとってより便利に使えるようソフトウェアの充実を図りたいと思っています。安全性としてGPSを搭載・バッテリーの交換時期をプッシュ通知するなど、ハードの開発と同時にソフトの開発も進めていきます。三つ目はインフラストラクチャ。ハードだけでは、すべての人の移動を楽しくスマートにすることは実現できないんですね。ソフトウェアを更に充実させることによって、インフラを巻き込んでいきたいと色々と構想を練っている状況です。

メガネみたいな存在に

会社としてメガネみたいな存在になれたらいいなと思っています。たとえば、僕が小学生のころはメガネをかけているとよくからかわれたりする対象になっていたのですが、今はファッションの一部として、メガネをかけている人もたくさんいますよね。更には、Google Glassというメガネというそもそもの機能も超越した何か違うモノに進化してますよね。みんな遊ぶようにつくるこの世のテクノロジーは、使っていくと最初は機能からはじまって、次にカッコいいモノとなり、更にはそれを超越した存在になっていくと思うんです。私たちも今は機能からはじまり、かっこいいモノとなり、健常者も障害者も関係なく超越した存在になっていくために進化中。それには、10年20年かかるかもしれないし、新しいプロダクトになるかもしれないけですけど。車椅子もAからB地点に行くための手段としてだけのものは必要なくなるのではないかと思うんです。もしかしたら、ロボティクスなどが発達すると立ち上がるかもしれないし、車椅子がなくても移動できる存在になる。確実にそういう進化が起こってくると思っています。

杉江理2のコピー

■ イマコレ -FUTURE VISION-
杉江 理  Satoshi Sugie
1982年生まれ。静岡県浜松市出身。日産自動車開発本部を経て、1年間中国南京にて日本語教師に従事。その後2年間世界各地(パプアニューギニア、ラオス、ウズベキスタン、ボリビア)に滞在し新規プロダクト開発に携わる。2012年 WHILL,Inc. 設立。世界経済フォーラム(ダボス会議)GSC33歳以下日本代表。